家でインターネットを利用する場合、光回線業者とプロバイダの両方と契約しなければいけません。国内にはたくさんのプロバイダがあって、どれを選べばいいのか迷ってしまいますよね。
最近は光回線業者とプロバイダがセットになった「光コラボレーション」というサービスも出ています。この記事では、プロバイダと回線業者の違いやプロバイダの選び方について解説します。
プロバイダとは?
プロバイダとは、インターネット回線をインターネットにつなげる事業者です。正式にはインターネットプロバイダ(Internet Service Provider)といい、略して「プロバイダ」や「ISP」と呼ばれることが多いです。
光回線は基本的に回線業者とは別でプロバイダとの契約が必要です。CATV(ケーブルテレビ)の場合は、CATVを提供する業者が回線業者とプロバイダの両方の役割を担っている状態なので、基本的にはプロバイダとの契約は必要ありません。
プロバイダの役割
プロバイダの主な役割はインターネットと利用者を繋げることです。
プロバイダと契約すると、IPアドレスが発行されます。インターネットを利用するにはこのIPアドレスが必要です。
IPアドレスはインターネット上の住所のようなもので、誰がどこからインターネットに接続しているかを管理しています。このIPアドレスの割り振りと管理を行うのもプロバイダの役割です。
その他にも、プロバイダと契約すると、無料のメールアドレスがもらえます。このメールアドレスは携帯電話も持った時に発行されるキャリアメールと同じで、フリーメールアドレスよりもセキュリティがしっかりしています。
フリーメールと言えばYahoo!メールやGmailが有名ですが、フリーメールは無料と言うだけあってセキュリティが甘く、例えば銀行や証券会社など個人情報の管理を徹底している場面では使えません。その点、プロバイダから発行されるメールアドレスはセキュリティが充実しているので安心して使えます。
プロバイダーの種類
一般社団法人 日本インターネットプロバイダー協会によると、国内には141社のプロバイダーが存在しています。(2022年10月現在)
プロバイダーの業務形態は「回線一体型」と「ホールセール型」の2種類、プロバイダーを運営している会社は「電力会社系」「通信会社系」「パソコンメーカー系」の3種類に分けることができます。
プロバイダーの2種類の業務形態
まず1つ目の「回線一体型のプロバイダ」は、光回線事業を自社で保有・運営しているプロバイダのことをいいます。契約先が1つで済むので手続きが楽というメリットがあり、最近はこのタイプが増えてきています。
2つ目の「ホールセール型のプロバイダ」はインターネットの接続事業だけを提供しているプロバイダです。ホールセール型は料金プランやサービスの種類がさまざまで、選べる自由度が高いというメリットがあります。
プロバイダーを運営している会社は3種類
プロバイダーを運営している会社は「電力会社系」「通信会社系」「パソコンメーカー系」の3種類です。
電力会社系は地域ごとの電力会社が運営するプロバイダーです。北海道なら「HOTCN」、関西なら「eo」、中国なら「MEGAEGG」、四国なら「Pikara」、九州なら「BBIQ」です。電力会社系は地域密着型で細かいサービスを提供しており、月額料金が安く設定されているという特徴があります。
通信会社系は、携帯大手3社が運営しているプロバイダーで、NTT系(OCN・ぷらら)とKDDI系(auひかり・コミュファひかり)、ソフトバンク系(Yahoo!B)があります。通信会社系は携帯電話とのセット割があり、使っている携帯電話と同じ会社のプロバイダを選ぶと、月々の携帯料金から割引を受けることができる特典を行っています。
電機メーカー系はパソコンメーカーが運営しているプロバイダーで、BIGLOBEやSo-net、@niftyが代表的です。電機メーカー系は各種サポートが充実しているので、パソコン初心者でも安心してサポートを受けることができます。
プロバイダの選び方
プロバイダによって料金やサービス内容が違いますので、どのプロバイダーを選ぶかは重要です。プロバイダを選ぶ際は下記の4つのポイントに注目してみて下さい。
月額料金は適切か
インターネットにかかる費用は少しでも抑えたいですよね。
1ヶ月にかかるプロバイダ料金の相場は1,000円前後と言われています。あまりにも料金が安すぎる、高すぎるプロバイダには注意が必要です。
通信速度は速いか
通信速度はインターネットを使う上で重要な要素です。通信速度が遅いと、動画が止まったり、ページの読み込みが遅かったり、ダウンロードに時間がかかるといったトラブルが発生します。
せっかく高速な光回線を選んだのに、サーバーの質が良くないプロバイダや処理能力の低いプロバイダーを選んでしまうと台無しです。あまりにも安すぎるプロバイダーには注意しましょう。
キャッシュバックや割引があるか
多くのプロバイダがキャッシュバックや割引などの特典を設けています。数万円ものキャッシュバックや、乗り換えにかかる違約金を負担してくれるプロバイダもあります。
プロバイダ契約には契約期間が決まっており、2年もしくは3年契約が一般的です。契約期間内に解約してしまうと1~2万円の違約金がかかるので注意しましょう。
キャッシュバックや特典は上手く利用することをおすすめしますが、中にはオプションに入らないと特典が受けられないケースがあります。そうするとお得どころか、月々の支払い料金が高くなってしまう可能性もありますので、必ず条件を確認しましょう。
マンションか戸建てか
マンションの場合、すでにインターネット回線が引いてあることが多いので、プロバイダと契約するだけでインターネットを利用できるケースが多いです。マンションに入っている光回線の公式サイトに対応のプロバイダが紹介されていますので、その中から選ぶとよいでしょう。
戸建ての場合は利用したい光回線を自分で選ぶことができるので、その回線に対応したプロバイダを選びましょう。
プロバイダだけではインターネットは利用できない!
先ほども解説しましたが、インターネットを利用するには基本的に回線業者とプロバイダの両方と契約しなくてはいけません。最近では光回線とプロバイダがセットになった光コラボが主流になりつつありますが、ここでは基本的なインターネット利用の仕組みを解説します。
プロバイダと回線業者の違い
プロバイダーはインターネット回線をインターネットに繋げるサービスを提供しています。一方で、回線業者はインターネットに接続するための回線を提供しています。
例えば、入居したマンションにフレッツ光の光回線が入っていたとします。そこで、インターネットにつなげるにはプロバイダと契約をして、フレッツ光の光回線をインターネットに接続してもらう必要があります。
光回線自体は日本全国にたくさん張り巡らされていて、自宅の近くまで通っています。ただ、通っているだけではインターネットは利用できず、プロバイダによってインターネットに接続してもらわなければいけないのです。
回線業者とプロバイダがセットになった「光コラボレーション」
最近では回線業者とプロバイダがセットになった光コラボレーション(光コラボ)が主流になりつつあります。この光コラボはNTTのフレッツ光の回線を借り受けて、さまざまな光事業者がお得な特典や割引をつけて別ブランドとして提供するサービスです。
回線はNTTのものを使っているので、速度や品質が落ちることはありません。ドコモ光やソフトバンク光、So-net光プラスなどが光コラボです。
プロバイダーまとめ
国内には140を超えるプロバイダーがあります。それぞれサービス内容や特典が違いますので、自分に合ったものを選びましょう。高すぎるプロバイダーや安すぎるプロバイダーには注意が必要です。